レンズアダプター(マウントアダプター)
レンズ交換式の一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラ向けにレンズアダプター(マウントアダプター)に販売されています。普通、レンズとカメラ同一のメーカーは同一でありますが、カメラマニア、写真マニアの中には、レンズとカメラを別々のメーカーで楽しみたいという人達がいます。
そういうマニアのために、「レンズアダプター」あるいは「マウントアダプター」というものが発売されています。
レンズアダプターを考えるにあたって一眼レフの重要な設計数値にフランジバックというものがあります。下図に一眼レフのモデルを示します。
フランジバックというのは、レンズとカメラボディとを連結させるレンズマウント面から、撮像素子(イメージセンサー)までの距離のことをいいます。
下図に少し古いですが、ミラー機構を持つ、一眼レフの図を示します。

以前カメラ雑誌で、レンズアダプター(マウントアダプター)の特集をやっていたですが、その時の記事には、「フランジバックが長いカメラ用のレンズは、フランジバックが短いカメラボディには取り付けられる」が「フランジバックが短いカメラ用のレンズは、フランジバックが長いカメラボディには取り付けられられない」と書いてありました。
下図に、キヤノンのEOSのフランジバックとニコンFマウントのフランジバックを示します。

実際に、「ニッコールレンズをEOSに取り付けるレンズアダプター(マウントアダプター)はは発売されている」のですが、「EOS用のレンズ(EFレンズ)をニコンのカメラボディに取り付けるレンズアダプター(マウントアダプター)は発売されていません」。
その記事を読んだ時には、「そういうものなんだあ」と思ったのですが、「取り付かない」と機械的に取り付けられないという風に読めてしまったので、違和感を感じました。
そこで、自分なりに考えたのですが、
「フランジバックが短いカメラ用のレンズを、フランジバックが長いカメラボディに取り付けても、ピントが無限遠に会わない」という結論になりました。
それを説明していこうと思います。
カメラ全判に言えることですが、ピントを無限遠に合わせた場合、レンズ長は縮んで撮像素子(イメージセンサー)側にきます。

まず、フランジバックが短いカメラ(キヤノンEOS)も長いカメラ(ニコン)もピントを無限遠に合わせます。この時、レンズの中心から撮像素子(イメージセンサー)までの距離がともに70mmだったとします。

この時、無限遠に合わせた各レンズ長は、以下の表にようになります。
レンズ名 | レンズ長 |
EFレンズ | 26mm |
ニッコールレンズ | 23.5m |
キヤノン EFレンズ – ニコンボディの組み合わせ
ここで、キヤノンEFレンズとニコンボディを組み合わせたとする時の図を下図に示します。

この組み合わせでは、レンズ-撮像素子(イメージセンサー)間の距離は、72.5mmとなります。無限遠にピントを合わせるためのレンズ-撮像素子(イメージセンサー)間の距離は、70mmが必要となりますが、EFレンズはレンズ長を最も縮めた際でも、26mmにしかならないので、レンズ-撮像素子(イメージセンサー)間の距離は70mmまで縮めることはできないことになります。
つまり、このEFレンズ–ニコンボディの組み合わせでは、無限遠にピントが合わないことになります。
この場合でも、「このレンズアダプター(マウントアダプター)を使用した場合は、無限遠にピントが合いません」と明記して販売すればいいのかも知れませんが、その場合どのぐらいのユーザーが購入してくれるかは疑問です。
個人的な感覚ですが、カメラで撮影をする場合は、ピントの距離は無限遠に合わせるのが、一番頻度が多いと思われます。そこで、正直に無限遠にピントが合いませんと告知した場合、ほとんど需要がないしのではないかとおもいます。
それが、「フランジバックが短いカメラ用のレンズは、フランジバックが長いカメラボディ用のレンズアダプターが発売されない」理由ではないかと思います。
ニッコールレンズ – EOSボディの組み合わせ
つぎに、ニッコールレンズ – EOSボディを組み合わせたとする時の図を下図に示します。

この組み合わせでは、レンズ-撮像素子(イメージセンサー)間の距離は、67.5mmとなります。これでは、レンズ – 撮像素子(イメージセンサー)間の距離が無限遠に合わせる70mmよりも短くなってしまいますが、EFレンズのレンズ長を伸ばせば、レンズ – 撮像素子(イメージセンサー)間の距離を70mmに合わせて無限遠にピントを合わせることができることになります。
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