この記事は、「トコトンやさしい熱力学の本 B&Tブックス 今日からモノ知りシリーズ」 三好 孝典/著 — 日刊工業新聞社 を参考にさせてもらっています。
重心
「重心」とは、その物体(剛体)の質量分布の平均位置で、単位は[m]です。下図のように、質量M[㎏]の物体を細かく刻んで、一つ一つの質点の質量をmi[kg]としたとき のΣmi X ri/Mの値です。ここで、ri[m]は原点から質 量までの位置ベクトルです。
「剛体」とは、力を加えても変形しない物体をいいます。質点には大きさや形がないので、剛体は大きさや形を持ちます。別の言い方をすると、「重心」は「剛体」にのみ存在する概念です。
質量の平均位置なので、その点を中心に考えたときに、周辺のどこかに質量の偏りはありません。つ まり、下図の左のように重心を指先で支えると、物体 は傾くことなく、そのままの姿勢が維持されます。 実際の剛体は立体なので重心は剛体内部にあります。イメージし難いですが、下図右のように、その重心に力を加えると、物体は回転することなくその ままの姿勢で加速していきます。
つまり、「重心に力を加えて移動させても姿勢は変わらない」ということです。
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