(※内容について本文で一部言及しています。未視聴の方はご注意下さい。)
評価:☆☆☆☆☆
最後のインディ・ジョーンズということで映画館で鑑賞して来ました。上映スクリーンの関係で吹き替え版でした。平日のレイトショーということもあったのか、観客は私を入れて10人もいなかったのではないでしょうか?2時間35分の大作でした。やはり、シリーズ物は長くなってしまう傾向があるようなのと、シリーズ最終作というのも上映時間が長くなった理由としてあったのでしょうか?。昔は上映時間が長いと得した気分になったものですが、最近は2時間半を超える作品と聞くと見る前から長いなと思って集中力が続くか心配になりちょっとげんなりします。でもいざ、本作品は始まってみると途中で中だれすることもなく集中して観ることが出来ました。
映画冒頭は戦場での戦闘シーンから始まります。第2次世界大戦のヨーロッパ戦線のようです。ナチスが敗戦濃厚な状態になって大量の文化遺産をベルリンへ輸送しようとしています。その文化遺産の中に「ロンギヌスの槍」が出てきますが、十字架に架けられたイエス・キリストの胸を貫いた槍の事らしいです。「エヴァンゲリオン」で名称が出てきたので名前だけは憶えていたのですが、そういう文化遺産だったのですね。ただ、「ロンギヌスの槍」は偽物だったらしく話はアルキメデスが発明した「アンティキティラのダイヤル」を中心に展開していきます。
時代は変わってアポロ11号の月面着陸成功に沸くアメリカ国内の場面になります。トレイラーの中でインディが馬に乗ってパレードの中を疾走する場面があったのですが、この場面でした。アポロ計画の月面着陸に成功したなので1969年ごろなのでしょう。第1作目の「レイダース 失われたアーク」で出てきたマリオンと結婚・離婚をしている設定なのですね。ただ、離婚決定の裁判所の通知が、「H.Jones」となっていたのが不思議です。「インディ・ジョーンズ」なのだから「I.Jones」だと思うのですが、そのあたりの謎は前作「クリスタル・スカルの王国」を見れば分かるのかも知れません。「クリスタル・スカルの王国」は見たのですが、すっかり内容は忘れてしまいました。シャイア・ラブーフと親子関係で出演していたということぐらいしか覚えていません。どうもその息子は亡くなってしまったようですが、「クリスタル・スカルの王国」を見直して復習してみようと思います。
アメリカを脱出する場面でサラーが出てきます。これも第1作の「レイダーズ 失われたアーク」に出てきたエジプト人考古学者でアークの発掘でインディに協力してくれた人でした。エーゲ海で石板の引き上げに協力してくれたスペイン人ダイバーも何作目かで出てきたのかも知れません。シリーズ全体を復習する必要がありそうです。
映画終盤になってくると「アンティキティラのダイヤル」を使ってアルキメデスの時代にタイムスリップしたインディがこの紀元前の時代に残ると言い出します。これまでの関係を断ち切って新しい状況に対応していくのかと思って「トイ・ストーリー4」をちょっと思い出しました。本当に紀元前の時代に残りそうな展開だったので、ハラハラしましたが、結局最後は現代(1969年)に戻って来て安心しました。1969年のアメリカに戻ってくると離婚が成立したはずのマリオンが戻ってきてよりを戻してくれました。最後は、「レイダース 失われたアーク」のオマージュシーンで終わります。
アルキメデスの遺産ということのなるとさすがにフィクションっぽくなるので、「レイダース 失われたアーク」の記事で書いたような文化植民地主義的な批判はあまりないかと思います。2023年7月14日には、宮﨑駿監督の「君たちはどう生きるか」の公開が予定されています。「魔女の宅急便」vs「魔宮の伝説」以来の40年ぶりの対決ですね。冒頭にも書きましたが、映画館で見たのは吹き替え版でした。エンドロールが流れ終わった後に吹き替えの声優のリストが出てきたのですが、俳優さんではなく声優さんが吹き替えをされていた様でほっとしました。
映画の構成や雰囲気は昔ながらのインディ・ジョーンズのテイストが残っていたので、安心しました。今回スピルバーグ氏は監督はされていないようなのですが、最近のスピルバーグ監督作品は80年代、90年代とは違ったテイストを感じます。以前の「グーニーズ」や「グレムリン」はいい意味でフィクション感があったのですが、「シンドラーのリスト」や「ミュンヘン」などはドキュメンタリータッチに作風が変わったようです。この変化を好意的にとるなら演出のマンネリ化を監督自身が打破しようと思い意図的に演出手法を変えたのかも知れません。しかしながら、最新の監督作品である「フェイブルマンズ」はちょっと自分の感覚とはあまり合いませんでした。「戦火の馬」というスピルバーグ監督の作品があるのですが、これはコメディ作品ではなく、割とシリアス系の作品なのですが、上手く演出できた作品だと思います。見ていて感動しました。いずれこの作品もレビューしたいと思います。
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