映画「ラストレター」のレビュー・感想

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(※内容について本文で一部言及しています。未視聴の方はご注意下さい。)

評価:☆☆☆☆☆

岩井俊二監督作品のレビューです。

2020年1月17日に公開されたました。もともと岩井俊二監督が原作を書いて映画化したもののようですね。未読なのでぜひ読んでみたいと思っていますが、いまだに読めていません。読んだ際にはBookレビューの欄で紹介したいと思います。岩井監督自身が宮城県のご出身ということもあり、宮城県を舞台にして物語が展開していきます。この作品は映画館で鑑賞したのですが、すごくいい映画だなと思って、もう一度観たいなと思っているうちにロードショーが終わってしまったのを覚えています。

物語は25年前と現代を交互に入れ替えて進んでいきます。

25年前

役名俳優
遠野美咲広瀬すず
遠野裕里森 七菜
乙坂鏡史郎神木隆之介

現代

役名俳優
遠野美咲(故人)広瀬すず
遠野鮎美広瀬すず
岸辺野裕里松 たか子
岸辺野颯香森 七菜
乙坂鏡史郎福山雅治

25年前の美咲ー裕里姉妹を広瀬すずさんー森 七菜さんが演じ、現代の遠野鮎美ー岸辺野涼香 従妹を広瀬すずさんー森 七菜さんが演じています。うまく編集されているので、混同することはありません。

映画は時代設定は現代の遠野美咲の葬儀の場面から始まります。鮎美は宮城県白石市に祖父母と暮らしていて(岸辺野裕理の実家になります)、従妹の颯香は仙台市に暮らしくています。母親を亡くしてしまった鮎美を気遣って従妹の颯香が夏休み一杯は、母親の実家で鮎美と過ごしたいと願い出で、了承されます。ちなみに、宮城県などの東北地方の夏休みはほかの地域と異なり夏休み期間が短く設定されているようです。8月の最終週はもう学校は2学期が始まっています。岩手県などはさらに一週間早く2学期が始まるようです。

仙台市に帰ろうとする裕里に鮎美が美咲宛に来ていた仲多賀井高校の同窓会の案内を渡してどうしようかと相談します。裕里は代わりに同窓会に出て、美咲ついての説明をすると鮎美に答えます。美咲が出席するはずだった同窓会に裕里は出席しますが美咲と間違われて、結局美咲のことは説明できませんでした。その時、たまたま卒業式の答辞を録音したテープが見つかったので再生するのですが、答辞が再生される中、裕里は同窓会を途中退席します。

現代の映画の中盤で美咲の結婚相手(鮎美の父親)として阿藤陽市(豊川悦司)が唐突に出てきます。その阿藤の奥さん役として中山美穂さんが出演していますが、映画公開時に結構話題になったのを覚えています。阿藤陽市は大学時代に美咲が結婚した相手なのですが、乙坂との会話を聞いていると当初は大学の先輩として接していたのですが、後に同じ大学の学生ですらなかったことが明らかになります。この辺りは映画では詳しく説明されなかったのですが、小説では描かれているのかも知れません。

映画後半に福山雅治さんが仲多賀井高校を撮影するシーンがあるのですが、その時に使用していたカメラはフィルムカメラのローライ35だと思います。最初は岩井監督の趣味かと思ったのですが、福山さんは結構カメラマニアだそうで、ここでローライ35を使うというのは福山さんのアイデアだったのかも知れません。もしかするとカメラも福山さんの私物なのかもしれません。

美咲が娘の鮎美に当てた遺書を鮎美はずっと開封できずにいたのですが、映画の最後のシーンで読むことができます。そこには美咲が高校を卒業した時に総代として卒業式で読んだ答辞が入っていました。最後にその答辞が美咲のモノローグの形で読まれます。同窓会で途中までカセットテープで再生された答辞の伏線が回収されます。その答辞は美咲と鏡史郎が二人で考えたものでした。

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