(※内容について本文で一部言及しています。未読の方はご注意下さい。)
今回の書評は「六人の噓つきな大学生」浅倉 秋成 著 KADOKAWAです。2022年度の本屋大賞にノミネートされていましたが、大賞の受賞にはなりませんでした。この年の受賞作は、「同志少女よ敵を撃て」で本作品は、5位でした。
11月22日に映画が公開されるという、トレイラーを映画館で見て、映画よりも早く原作を読んでおこうと思って読んでみました。
大学生の就職活動ものということで、少し浅井リョウさんの「何者」と似ているかなと思った部分はありますが、こちらの方がよりミステリー色が強くできていました。
映画が公開された時には、映画館でも鑑賞しました。この小説には、最後に明らかになる叙述トリックが仕掛けられています。その叙述トリックは小説ならではではのものであり、それもあって、どうやって映像化するのかなと思って映画をみました。
やはりその叙述トリックは映像化するのは、難しかったようで、映画の中では省略されていました。
その他にも、小説中にあったいくつか重大なトリックが映画版では、省略されています。
小説の内容について
小説の本編は、まず冒頭はモノローグになっています。波多野 祥吾という2011年に就活生だった人物によってスピラリンクスというIT系の会社の就職試験で異様な事件があったことがほのめかされます。
本作品は2部構成になっていて、第1部が就活場面で、波多野 祥吾の視点で書かれています。第2部は嶌 依織の視点で書かれています。
第1部 : Emplyment examination -就職試験-
新興IT企業のスピラリンクスが2011年の採用から初めての新卒採用の場面から始まります。
最終選考に残ったのは、次の6人です。
立教大学 経済学部:波多野 祥吾
慶応義塾大学 総合政策学部:九賀 颯太
明治大学:袴田 亮
お茶の水女子大:矢代 つばさ
早稲田大学 社会学部:嶌 依織
一橋大学:森久保 公彦
スピラリンクス人事部の説明によると、当初は上記の六人でグループディスカッションを行いその内容によっては、六人全員の内定もありうるという話でした。
1ヵ月後のグループディスカッションに向けて、6人全員で準備を進めていました。そんな中たまの息抜きに飲み会を開いてお互いの人柄を知ってさらに結束力が高まった6人ですが、その飲み会の帰り道で衝撃のメールがスピラリンクスから送られてきます。
スピラリンクスから送られて来たメールは、最終選考の変更についてでした。変更後の選考方法は、内定者は1名だけで、グループディスカッションでその1名を決めるというものでした。
それまでは、最大で6人全員が同僚になる可能性があったのが、新しい選考方法では、6人全員がライバルになってしまったのです。
スピラリンクス社の2011年の内定者は、嶌 依織に決定しました。
第2部 : And then -それから-
時代は進んで、第2部は、第1部から8年後の2019年が舞台になっています。第1部の最後で波多野 祥吾が就職面接を混乱させた犯人とされ、スピラリンクスの内定をもらったのは嶌 依織に決定しました。
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