この記事では、「電界」(電場)の概念について解説したいと思います。「電界」と「電圧」とは、似た概念なので混同しがちです。(「電圧」(電位差)について)の記事で、「電圧」(電位)についても、説明していますので、こちらの記事も参考にして下さい。
電界、電場の概念
電界、電場 :
電荷に作用して、力を生じさせる「場」という物理量の概念です。クーロンの法則から導出されます(電界と電場は基本的に同じ概念ですが、電界は主に工学の分野で、電場は主に物理学の分野で使用されます)。
電界の導出:

電界とは:
空間内に電荷が存在するとき、その電荷量との積に比例した力を発生させる「場」という物理量が存在する。それが「電解」又は「電場」である。
「場」の定義:
「場」とは物理量が場所ごとに定義されている空間です。場には、「スカラ場」と「ベクトル場」があります。
k:クーロン定数
k = 8.987551787X10 9 [N・m2/C2]≒8.9876X109≒9.0 X 109 これは光速度(299,792,458 m/s)の2乗に10 -7をかけたものとほぼ同じ値と考えてもらっていいとおもいます。 (3 X 10 8) X (3 X 10 8) X 10 -7 = 9 X 109ε0 :真空の誘電率
ε0 = 8.854187817 X 10 -12 F/m
電界の単位
電界(電場)の単位は、1C(クーロン)当たりに働く力(N)ですから、N/Cになります。

電界(電場)の単位にはもう一つ V/m がありますが、変換すればどちらも物理的には同じ意味になります。

つまり、電界の単位は下記のようになります。

電界の意味は前述したように、「1C(クーロン)当たりの電荷働く力」ですが、特に[V/m]は電界のもう一つの意味、「1m当たりの電圧変化」=「電位の勾配」を示しています。
電界単位のイメージ
前述した電界の意味を図示してみました。

特に(2)の長さがd[m]の導体を電界中に置いた場合に、d・E[V]の電圧が発生する現象はアンテナの原理を説明しています。
[コラム]ある一定の電界が存在する場合のイメージ:
(1)遠方にある巨大な電荷による作用 (2)巨大なキャパシタンス内の作用

万有引力の法則との対比から説明する重力場の概念
電界(電場)の概念と重力場の概念は大変似ているので、重力場についても見てみましょう。
重力場:
質量に作用して、力を生じさせる「場」という物理量の概念です。万有引力の法則から導出されます。
万有引力の法則:
2つの質量を持った物体が存在した場合、その2つの質量の積に比例し、2つの質量の距離の2乗で割った数値に比例する力が、引力としてその2つの質量に作用する。


電気力線と電界、電場
電気力線 :
空間に点電荷を置いた時に、力がかかる方向に引いた仮想的な線です。強さは、面積密度で表し、
電気力線の面積密度 = 電界強度
となります。

最初に電気力線の数を、N = 4πkQ [本]と定義したことで、その面積密度が電界と同じになります。
↓
面積密度を算出した時に、電界となるように電気力線を定義したとも言えます。

ガウスの法則

電束(線)という考え方
電気力線とは、別に電束線という考えかたがあります。電気力線、電束線ともに仮想的に線なのですが、電束線は電気力線よりもさらに一段階仮想度を上げた考え方になります。

電界強度と電束密度の単位を並べると以下のようになります。

  
  
  
  

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