蛍光灯の原理

Engineering

この記事は、「トコトンやさしい色彩工学の本 前田 秀一 著 日刊工業新聞社」「トコトンやさしい回路設計の本 谷越欣司 著 日刊工業新聞社」を参考にさせて頂いています。

蛍光

蛍光物質は光エネルギーによって基底状態から励起状態に移ります。この場合、最終的には「励起状態」から「基底状態」に戻る際に光エネルギーを放出します。これが「蛍光」です。

ただし、励起状態から直接基底状態に戻るのではなく、熱を放出しながら少し低いエネルギー状態に一旦落ち着いて、そこから基底状態に戻るのではなく、熱を放出しながら少し低いエネルギー状態に一旦落ち着いて、そこから基底状態に戻るときに蛍光を発光します。そのため、初めに照射した光と同じ波長の光ではなく、エネルギーを失った分だけ波長の長い光が放出されます。例えば、私たちには認識されない紫外光(波長λ1)を吸収しながら、波長が長くなった可視光(波長λ2)として放出する物質がありますが、これが「蛍光材料」です。

蛍光灯

蛍光灯では、アルミニウム酸化物にユーロピウムを加えたもの(青)や、イットリウム系の酸化物にテルビウムを加えたもの(緑)、ユーロピウムを加えたもの(赤)等の蛍光材料が管の内側に塗られています。放電によって、管内に充満した水銀ガスから発生した紫外光がこれらの塗料に当たると、各蛍光体がそれぞれ違った波長の可視光を出します。

 蛍光灯の内部には、約100~200Paのアルゴンを主とする放電ガスと水銀を導入して封止しています。

燐光

「蛍光」と似た現象に「燐光」があります。「蛍光」と「燐光」の励起状態は、厳密にはそれぞれ一重項励起、三重項励起と呼ばれ、少し様子が異なります。三重項励起状態のほうが少し安定になります。燐光は蛍光よりもゆっくりと励起状態から基底状態に戻ります。そのため、発光時間が長くなる傾向があります。

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