この記事は、「トコトンやさしい熱利用の本 福田 尊修 著 日刊工業新聞社」を参考にさせて頂いています。
「熱伝達率」は、以前に書いた記事「熱伝導率」(「熱伝導率」と「熱抵抗」について)と混同しやすい概念ですが、一応別の概念です。
対流伝熱 固体と流体間の熱移動
対流には自然対流と強制対流がある
層流と乱流で伝熱量は変わる
対流伝熱とは、固体とそれに接している流体との間に起こる熱移動現象です。固体から流体への対流による伝熱量(Q)は、下の図中の式で求められます。
対流伝熱の状態をミクロな視点で見ると、固体表面に接している流体粒子の移動速度はゼロと考えられますので、固体の熱は熱伝導によって表面近傍の流体粒子に伝えられます。
その後、流体内では熱伝導や流体粒子の運動によって、固体表面に垂直な方向に熱が伝えられますが、流体に流れがある場合には、その一部は流体の流れ方向に持ち去られます。対流伝熱の場合に直接伝熱に関与するのは、物体表面近くの領域になりますが、粘性が小さい流体の場合にはその領域が薄くなるので、その領域を境界層と呼びます。

対流には、動きがない流体内の密度差によって生じる自然対流と、ポンプや送風機などによる強制的な流体の運動によって生じる強制対流があります。


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