(※内容について本文で一部言及しています。未視聴の方はご注意下さい。)
評価:☆☆☆☆
松たか子さん主演の2010年に公開された映画のレビューです。原作は今や「イヤミス」の女王と言われる湊かなえさんの同名小説です。一度、映画館で鑑賞したのですが、この度レビューを書くために改めて見直してみました。ちょっと自分でも驚いたのは、冒頭の部分を除いて、本編のほとんどの部分を忘れていたことでした。
岡田将生さんが「空気の読めない新人教師」というのはトレイラーでもあったシーンで、自分の名前の「良輝」を「ウェルテル」と生徒たちに呼ばせるのは、覚えていたのですが後半部分は記憶からすっぽり抜け落ちていました。この映画をカテゴライズする場合、サスペンス・スリラーのなるのでしょうか?
内容的には、公開されたのが2010年とはいっても、現在では映画を製作するのは難しい題材を扱っています。HIV患者の血液を牛乳に混ぜて、自分の娘を殺害した担任生徒に飲ませて復讐するという設定です。現在では、製作するだけでも批判を受けそうな感じがします。
松たか子さん演じる森口悠子の娘役で芦田愛菜さんが出ていたのをエンドロールで見てビックリしました。映画を観ている時には気づきませんでした。「マルモのおきて」でブレイクする前なので、やはりそのころから演技力があったのですね。改めて見直したのですが、確かに芦田愛菜さんでした。「マルモのおきて」より前なのでより幼い感じでした。
映画が公開されたのが2010年なので、スマホが出始めた年代ですね。出てくる中学生もみんなガラケーを使用している設定になっています。この作品には、能年玲奈さんも出演されていたようです。見直してみると冒頭のシーンで写っていましたが、作中ではとくに主要な役柄は振られていないようでした。この作品では山谷花純さんもエンドロールに名前がありまりましたが、映画内では分かりませんでした。もう一度よく見てみようと思います。
本作品のヒロインは橋本 愛さんになると思います。能年玲奈さんは上述のようにあまり重要な役にはついていなかったようです。2013年の上半期の朝ドラの「あまちゃん」では能年玲奈さんがヒロインを演じたのは有名ですが、橋本 愛さんがサブヒロインというキャスティングになったのは皮肉かもしれません。
岡田将生さんはこの時点でも売り出し中のイケメン俳優だったと思うのですが、そういう俳優さんだと映画内でもカッコイイ役をやりたがるのかなあと思うのですが、この映画では空気の読めない新人教師役を演じていたました。同じように、李相日監督、妻夫木聡さん主演の「悪人」という映画でもあまりいい役とは言えない役を演じていましたし、最近でも「ドライプ・マイ・カー」でも事件を起こす俳優役をやっていました。あまり演じる役のイメージにこだわらず、作品ベースで出演作を決めているのでしょうか?そういう俳優さんってカッコイイですね。
渡辺修哉役の父親役として、新井浩文さんが出演しているのですが、この映画も配信停止になっているのでしょうか?
監督の中島哲也さんはもともとCMに携わっていた方のようで、映画も他の映画監督が撮影されるものとはテイストが違う感じがします。
原作小説も読んだのですが、もともと原作小説は公募の賞だったと思います。公募の賞としての作品は、シングルマザーの森口教諭が一人娘を教え子の中学生二人に殺害された復讐として、犯人の教え子の中学生の飲む牛乳にHIV感染者の血液を混ぜたことを「告白」したところで終わっていたと思います。公募賞受賞後にその後の章を書き足して、1冊の本として出版されて映画化されたと記憶しています。この記事を書いていて、もう一度原作小説の方も読みたくなりました。
コメント