映画「不都合な真実」の感想・レビュー

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(※内容について本文で一部言及しています。未視聴の方はご注意下さい。)

評価:☆☆☆☆

2006年に公開されたドキョメンタリー映画です。アル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領が主演しています。なぜこんなに大分前に公開されたドキュメンタリー映画のレビューを書こうと思ったかというと、折角ブログにアップするのだから高尚な映画がいいだろうと考えたためです。

アル・ゴアさんは2000年の大統領選挙にブッシュJrに敗れてから、ライフワークである地球温暖化防止のための講演を続けていて、この映画はその講演内容を収録したものになります。

映画の中の講演では、様々な観測データを示し科学的にCO2と地球の温度上昇を関連づれて、そのCO2排出が人間によるものと証明していきます。

映画の前半部分で南極で採取した氷中の気泡の空気の放射性酸素同位体を調べることにより、65万年前までのCO2濃度と温度が分かるという実証方法があるというのは今回見直してみて初めて知りました。考古学などでよく使用される炭素の放射性同位元素の量を調べる手法では知っていましたがこの映画で紹介されていた手法は地球の大気中のCO2濃度と温度を測定する手法ということだと思います。

映画の中のスライドで65万年からのCO2濃度と地球の温度を並べてグラフ化してあるのですが、ほぼシンクロしており近年CO2濃度はこれまでの65万年の歴史の中でも無視できないほど上昇しているようです。また近年の人間の人口増加のグラフも示されます。これのグラフを見せられると人間活動がCO2の増加ひいては地球温暖化の原因になっていると主張にも信憑性が出てきます。

地球温暖化は生態系にも影響を及ぼしているようです。地表温度が上昇すれば感染症を媒介する虫や動物の行動範囲も広がり、それによって今までになかったような感染症も蔓延する可能性が広がります。この映画が公開された時にはCOVID-19はまだ出現していませんでしたが、いまから思うとCOVID-19の出現も地球温暖化の結果なのかも知れません。

また研究者の中でも地球温暖化については実際に地球の大気温度は上昇しているという見解は一致しているそうです。近年学術誌に発表された科学論文の中でも地球温暖化を否定する論文はほとんど見られないそうです。専門家の間でも地球温暖化に対する意見が分かれているという誤解は少数の人達によって意図的に作られたものだと言い切っています。

いまだ地球温暖化については懐疑的な見方があり、気温の温度上昇を自然現象の範囲内だとする意見もあるようです。この映画は一種の未来予測の映画だと思います。この映画が公開されて今年で17年になります。この間にこの映画が予測した事象についていくつか検証できる部分があると思います。それを検証するだけでもこの映画の正確性が分かると思うのですが。

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