(※内容について本文で一部言及しています。未視聴の方はご注意下さい。)
評価:☆☆☆☆☆
ナオミ・ワッツさん主演の映画です。上映時間は1時間24分と割と短めです。映画館で見たのですが、観客は私も入れて10人もいなかった感じです。
ナオミ・ワッツさんといえば、アメリカ版リングが有名かと思います。その他にも多数の作品に出演されています。私が初めて見たのは「マルホランド・ドライブ」だったと思います。「ツインピークス」を監督したデビット・リンチ監督の劇場用の映画監督作品です。
非常に難解な映画で、2部構成になっているのですが、1部と2部で話がつながらないような内容で見た後でモヤモヤ感が残る作品でした。配給会社もそのあたりは理解していたのでしょう。リピーターが来ることを予期して、一度見た映画半券をレジで提示すれば割引料金で2度目以降を見られるサービスがあったような気がします。私は1回見ただけで2回目以降は見ませんでしたが。
本作品に話を戻すとこの映画は配給会社のWebサイトによるとシチュエーション・スリラーということらしいです。事件が起こっている現場の状況を示さず、関係者に断片的に入る状況から緊迫感を盛り上げるジャンルになるようです。
本作品の主人公はエイミー・カー(ナオミ・ワッツ)さんです。エイミーは夫ピーターと息子ノアと娘エミリーの4人家族でしたが夫のピーターは1年前に交通事故で亡くなり、今は家族3人で暮らしています。
ある朝ノアが不登校気味なのを気にしながらエイミーはジョギングに出かけます。そのジョギング中にiPhoneで音楽を聴いたり知人に電話をしていると突然臨時ニュースが飛び込んできます。息子が通う高校に銃を持った男が襲撃したというニュースです。息子は不登校なので事件には巻き込まれていないと思っていましたが、自分がジョギングに出た後、高校へ行ったらしいということが分かってきます。
その後、警察から電話があり、襲撃犯が息子なのではないかと尋問されますますエイミーは不安になってきます。iPhoneで知人に連絡して、なんとか状況を把握しようとしたり、ジョギングを切り上げてUberで手配した車で高校へ行こうとします。車へ合流するポイントを探すのにGoogleマップを使用したり、そのアプリを立ち上げるのにSiriに頼んだりとスマホが効果的に使われています。
映画を見ていて気になったのはナオミ・ワッツはiPhoneを使用している設定になっていますが、ヘッドホンがエアー・ポッズではなく有線ヘッドホンを使用している点です。Webサイトで調べたのですが、iPhoneにヘッドホン端子がついていたのは、2015年発売のiPhone 6sまででそれ以降はiPhone本体にヘッドホン端子がついていないことになっているので、随分と古いiPhoneを使い続けている設定になっているようです。この設定には何か意味があるのでしょうか?
エイミーはiPhoneを使い様々な人や手法を使って容疑者を探していきます。最後にロバート・エリスという人物にたどり着きます。彼は数年前までレイクウッド高校のカフェテリアで働いていたのですが、何かいやなことがあって恨みを抱いてその職場を退職したようです。
最後は、SWATが突入して人質になっていた学生は、解放されるのですが、容疑者のロバート・エリスはどうなったのかは明らかにされません。そこは、鑑賞者の想像に任せるという考えなのでしょうか?
最後に感想ですが、アメリカ国民の過半数は銃規制を望んでいるらしいですが、銃規制に懐疑的な層は合衆国憲法修正第2条(国民の銃所持の権利を定めたもの)を理由に規制に反対らしいです。このことから一度強力な武器を手にすると、手にした側からそれを手放すことは難しいということでしょう。現在の軍事力の世界情勢を見てもそのままあてはまるのではないでしょうか?ひいては、軍事力というだけではなく、何がしかの既得権を得た人達が自らそれを手放すことは難しいということになるのかも知れません。
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