(※内容について本文で一部言及しています。未視聴の方はご注意下さい。)
評価:☆☆☆☆☆
2020年に公開された映画です。監督は、英勉、主演は、高杉 真宙さんです。元々は書籍の原作があるようですが、未読なので読んでみたいと思っており、その際にはBookレビューでも紹介したいと思います。
映画は前田建設の広報部が「マジンガーZ」のアニメに出てくる光子力研究所に併設されているマジンガーの格納庫を設計、見積もりして公表しようという話になります。私もそうですが、メーカーなどで物作りに携わっている方々にはたまらない内容なのではないでしょうか?
基本的なスタンスはコメディなのですが、ものづくりに携わっている人たちにリスペクトが感じられます。私は映画を見る際は、できるだけ予備知識を持たないようにして見ているのですが、この映画も予備知識ゼロで見てみました。見た後にいい映画を見たなとかなり得をした感じになりました。
映画について
本作品の主人公である土井 航(高杉 真宙さん)は、前田建設の総合企画部 広報グループに勤めています。ある日、広報グループ長の浅川 輝之(小木 博明さん)からマジンガーZのムック本を渡されます。
広報企画として、マジンガーZの格納庫を設計し、積算し、見積も出し、工期の出し、実物は作らずWeb上で公開しようと持ち掛けられます。
同じグループの主任の別所 駿太(上地 雄輔さん)や江本 千紗(岸井 ゆきのさん)や近田 博樹(本田 力さん)も巻き込んで一大プロジェクトが「前田建設ファンタジー営業部」としてスタートします。
(しかし、ここで出てくる「空想世界通信装置」というのはよくわかりませんが。)
映画が公開されたのは2020年です。映画の中では、2003年という設定なっており携帯もまだガラケー全盛の時代です。
メンバー間の温度差は、あってもプロジェクトは着々と進んでいきます。運よく、版権もダイナミック・プロと東映から無償で得ることができました。
しかし、その一方メンバーは、技術部や営業部からいい加減な設計や見積もりを出したら、会社の評判に関わるとプレッシャーをかけられます。土井や別所は板挟み状態に陥ります。
その後、別所は自分の子供とともにマジンガーZを見ていて、技術者魂に目覚めます。ファンタジー営業部の会議で、マジンガーの格納庫の設計図まで描いてメンバーを驚かせます。最初は懐疑的だった設計技術者も応援するようになります。
この映画を見るまで福岡ドームは竹中工務店が建設したものだったと思っていました。ドーム球場の本体部分は竹中工務店が請け負ったようですが、開閉式のドーム屋根の部分は前田建設が請け負ったようです。フルで開閉するのにそれぞれ20分間もかかるのですね。
ファンタジー営業部最大の難題はマジンガーZのジャッキアップ機構とそのジャッキ機構の横移動という問題に直面します。知見のある他社にアドバイスを求めますが、前田建設機械、日立造船、栗本鐵工所という企業が実名で登場しますが、これは実話なのでしょう。
ジャッキの原理としては、テコの原理や輪軸の原理と同じで、仕事量は同じだが大きな仕事量を短時間でかけるのは難しいが小さな仕事量を長時間かけるのは比較的やさしいというのが原理だと思います。これは動力がモーターなどになっても同じなのだと思います。映画のなかでも横移動可能なジャッキを実現するためには油をすごいスピードで流し込むポンプが必要だとのセリフが出てくるのでやはりそうなのだと思います。
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