今回レビューするのは、「半導体有事」湯之上隆 著 文藝春秋社です。
最近は、TSMCが熊本にjasmを作ったり、ラピダスに日本政府に数千億円出資したりと世間の耳目を集めているようです。テレビなどでよく聞く論調では、1980年代には日本は半導体の世界市場では、高いシェアを誇っていたのに、2000年代以降は凋落してしまったとの意見をよく聞きます。
しかし、あの年代でも生産量の多くは、DRAMでした。現在の半導体市場は、DRAMだけではなく、NAND Flashメモリーやロジック半導体など多岐にわたっています。
特に今注目されている台湾のtsmcなどは、メモリーは生産しておらず、ロジックICのみを受託生産しています。日本の半導体産業の衰退を政府の失政のせいにする声も上がっていますが、特に日本政府の失政がなかったとしても日本の半導体産業は衰退していたような気がします。
ただし、日本の半導体そのものは衰退しましたが、まだ半導体製造装置は検討しています。
その一方、半導体製造装置の中でも、ステッパー(露光装置)はかつてニコンとキヤノンがほぼ市場を独占していましたが、現在のEUV(極端紫外線)市場ではほぼオランダのAMSLが市場を独占しています。
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