映画「クリード II 炎の宿敵」のレビュー・感想

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(※内容について本文で一部言及しています。未視聴の方はご注意下さい。)

評価:☆☆☆

「クリード 過去の逆襲」のレビューを23年6月1日にupしましたが、「クリード チャンプを継ぐ男」をみた記憶はあるのですが、その作品からどうも記憶が繋がらなくて調べてみると本作が間に挟まっていて未視聴でした。「チャンプを継ぐ男」と「過去の逆襲」の間を繋げるべく本作を鑑賞してみました。

そもそもこのシリーズはロッキーの続編であり、それを覚えていないと完全に楽しめないようになっているようです。アドニス・クリードはアポロ・クリードの息子らしいのですが、アポロ・クリードはロッキーの親友でかつて世界タイトルマッチでロッキーがセコンドを務めたボクサーのようです。そのアポロ・クリードがイワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)と世界戦を戦って敗れます。その敵討ちとしてロッキーが世界戦でイワン・ドラゴと戦ったというのか「ロッキー4 炎の友情」のようです。

今回に敵役となるのかが、かつて敵だったイワン・ドラゴの息子ヴィクター・ドラゴになり、現在の世界チャンピオンのアドニス・クリードに挑戦してきます。そのドラゴ親子の出身は今話題になっているウクライナのキエフです。現在ロシアとウクライナは戦争中ですが、映画の中では旧ソ連を代表しているような描き方です。今、この映画を作ったら違う描き方になったかもしれません。少なくとも、日本語字幕では故郷を示しているのはキエフではなく、キーフになっていたでしょう。

次回作「過去の逆襲」では、アドニスとビアンカの娘のアマーラ・クリードが聴覚障害なのは、ビアンカが進行性の難聴という障害が遺伝したという設定なのですね。これでようやく次回作とつながりました。

最初の世界タイトルマッチではアドニスがダウンした後ヴィクターがアドニスを攻撃したということで反則負けになり、アドニスはタイトルマッチ後もチャンピオンのままになります。しかし、ヴィクターが反則負けになる直前まで試合は一方的にヴィクター優位のまま進んでいて、アドニスはKO直前だったため、実質的にはアドニスにチャンピオンの資格はないと世間は見ます。それにプライドを刺激され再起をかけてヴィクターとの二度目の世界タイトルマッチをロシアのアウェーで行います。このあたりのストーリーの展開は王道といったところでしょうか。2度目のタイトルマッチに備えてアドニスはトレーニングを始めますが、最新の設備が整ったところでトレーニングするのではなく、屈強な荒くれどもが集う砂漠の真ん中で荒っぽいトレーニングを行います。ロッキーはここは「虎の穴」だと言いますが、「虎の穴」という言葉が今の人に通じるか疑問に感じました。

2度目の世界タイトルマッチがロシアのモスクワで行われます。ヴィクターはロシアの英雄として世界タイトルマッチに挑みます。最初の方にも書きましたが今の世界情勢を考えるとウクライナ、キーフ出身のボクサー(ヴィクター)がロシアの英雄となるのは少し無理があるのかも知れません。映画の公開が2018年だったので企画自体はもっと前だったのかも知れませんし、その段階では今の世界情勢は予想できなかったのかも知れません。ただ、ウクライナとロシアもともとは別の国だという認識を示す人もいますから、アメリカ人から見たウクライナもロシアも同じ国と捉えていたのかも知れません。

世界タイトルマッチが始まります。映画の観客からすれば、最終的にはアドニスが勝つことが分かっているのですから、後はボクシングの試合の演出をどう盛り上げるかだとだと思います。その観点から言えば、ボクシングシーンは臨場感あふれる演出になっていて成功したといえると思います。

ロッキー(シルベスタ・スタローン)は次回作「過去の逆襲」では出演していなかったので、今作の最後でロッキーは亡くなったのかと思ったのですが、そうではなかったのですね。では、なぜ次回作では「過去の逆襲」では出演していなかったのか謎ですね。

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