プラズマ

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「プラズマ」とは

 一般に物質の温度を上げていくと、固体→液体→気体と相転移を起こして状態が変化することはよく知られており、その基本的な三つの状態を物質の三態といいます。

 さらに温度を上げて数千度以上にしたら、気体分子同士が激しく衝突して電離が起こり、多数の正イオンと電子が発生して、それらが動き回っている状態が出現します(ロウソクの炎の中はそのような状態になっています)。

 これを物質の第四状態、すなわち、プラズマ (plasma)と呼び、電離するときに正イオンと電子は必ず対で生じるので、プラズマ中の正イオンの数と電子の数はほぼ等しく、全体として電気的には準中性の状態にあります。逆に言うと、正イオンと電子の密度がほぼ等しく、電離した状態の気体をプラズマと定義することができます。

 人工的にプラズマをつくるには、物質を加熱するよりも気体放電を利用するほうが簡単で効率的です。

 実際にプラズマは工業的にも多数の用途に用いられており、その際のプラズマ生成は気体放電(RF)を使って生成される場合が多数です。

プラズマの分類方法

①電離度での分類方法

一般にプラズマ中には、電子、 正イオン、 中性粒子(原子や分子,後述のラジカルのように電荷をもたない粒子)の3種類の粒子が存在します。それぞれの密度をne, ni,nnとすれば ne ≒ ni (準中性)であって、電離する前の気体分子の密度は (ne + nn) です。

そこで、どの程度電離しているかを示す目安として、電離度をβ=ne/(ne+nn) と定義する。太陽のコロナや核融合炉の高温プラズマでは100%電離しており、このような β = 1 のプラズマを完全電離プラズマといいます。

 一方,数%以上電離している場合 (β >= 10 – 2) を強電離ブラズマ、炎の中のプラズマのようにほとんどが中性粒子である場合 (β < 10  – 3) を弱電離プラズマといいます。

②プラズマの熱温度での分類方法

大気圧に近いような高圧力で放電すると、電子、イオン、中性粒子の間の衝突が激しいことから、粒子の運動エネルギーの交換が十分に行われて熱平衡状態になります。

電子、イオン、中性粒子の温度をそれぞれTe , Ti, Tnとすると、三者の温度がほぼ等しい(Te≒Ti≒Tn)ような熱平衡プラズマを熱プラズマ (thermal plasma)といいます。

一方,数百Pa以下の低い圧力のプラズマは、熱的に非平衡な状態となります。

すなわち、電子は衝突によってあまり運動エネルギーを失わないので、Te> Ti, Tn となりす。

このようなプラズマを低温プラズマ (cold plasma) という。なお、高い圧力であっても、低温プラズマは工業的に最も広く利用されています。

「温度」は厳密には電子温度を示しているが、低温プラズマを除けばほとんどの場合にTe~Tiである。

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