(※内容について本文で一部言及しています。未読の方はご注意下さい。)
今回の書評は「星を継ぐもの」ジェイムズ・P・ホーガン 著、池 央耿 訳 東京創元社刊です。奥付を見ると、初版は1980年5月23日になっていて、2022年5月27日に104刷になっています。その後、2023年7月7日に新版が出て、今回入手したものは、2026年4月17日の8版になっております。
表紙の裏には、「Copyright 1977 in USA」とあるので、原著は1977年に発行されたのだと思います。
この小説は、だいぶ前に読んだのですが今回書評を書くにあたって、もう一度読み直してみました。
小説の内容について
舞台となる年代は、具体的に設定されていませんが、かなり未来の話の様です。ビィクター・ハント博士は、イギリスのメタダイン社に勤める理論物理学者です。
ハントは、トライマグニスコープという画期的な測定装置を開発しようとしていました。この装置は、中性子微子(ニュートリノ)ビ-ムが固体を通過する際、原子核の近くである種の相互作用に影響されて、通過後のビ-ムに測定可能な変化が生じることが立証されました。
物体を三方向から同調交差するニュートリノ・ビ-ムでラスタ走査(スキャニング)することにより、一見もとの物体とは寸分違わぬ三次元カラー・ホログラムを構成するに充分な量の情報を取り出すことが可能になります。
それだけではなく、ビ-ムは物体の中を走査するため、この方法によれば表面のみならず物の内部をも手に取るように観察することができます。この透視能力と、もともとこの方法に備わった高倍率とが相まって、かつてどのような装置をもってしても不可能だった各種の観察が容易になりました。
細胞内の量的物質交代、バイオニクス、神経外科、冶金学、結晶学、分子エレクトロニクス、工学関係の検査、品質管理と応用分野は無限かと思われました。
しかし、メタダイン社は、アメリカのIDCCという巨大な複業企業の子会社でした。


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